生地整形技術が必要な生地をおしえてください。

目安として、ストレッチ性の高いものがあげられます。
伸び縮みしない生地はすでに寸法が安定していますので不要です。
生地の縮み要因は、反物生産時の他、素材的要因でも発生します。
現在広く普及している”放反”対応だけでは、素材的要因に対して効果的ではありません。

生地整形技術は、反物の状態でおこなうスポンジング加工と違うのですか？

目的は同じですが、加工方法が違います。
スポンジング加工と大きく違う点は、一定寸法に大断ちしてから加工することです。
スポンジング加工の場合、加工後再度反物を芯棒に巻きなおす作業が必要です。
この作業によって、せっかく寸法を安定させた生地が若干伸びてしまいます。
当社の技術では、要尺と縮み率を考慮した寸法に大断ちしてから加工します。
これにより、生地寸法が安定した状態で生産開始することができます。

生地整形技術を施してつくった商品は、水洗い洗濯しても縮みませんか？

残念ながら、若干の寸法変化はあります。
当社の技術は、反物の不自然な伸びや、熱で縮む性質の素材に有効な加工技術であり
水で縮む性質の素材においては万能ではありません。(ある程度の改善は望めます)
水で縮む素材の場合、洗濯表示等で水洗いに対する注意を促すようお願いします。

生地整形技術での加工だけ依頼する事は可能ですか？

可能です。ただ、加工後運送便で返却する際に、たたみシワが発生する可能性があります。
当社は、厚地から薄地まで幅広い素材に対応できる一貫加工工場です。
裁断～縫製まで一貫したご依頼をお待ちしております。

生地整形技術のメリットはなんでしょうか？

大きな利点は、納期に対して計画が立てやすい点と、購入してくださったお客様の満足度です。
予防策である生地整形工程を、事前に生産計画に組み入れる事で管理が容易になります。
不具合が発生してからの対処では、納期が切迫した状態で問題が起きる可能性があります。
当然、その後の生産計画にも影響を及ぼします。また、手直し過程で縫った部分をほどくと縫い跡が残ったり、不自然な伸びやシワが出来て商品のシルエットが損なわれます。
生地整形技術を施して生産することで、計画・納期に影響を及ぼす可能性が少なくなります。
また、商品の付加価値を高める技術でもあると考えております。

生地整形技術で生地サイズの変化はどのくらいありますか？

カットリンキングとはどんなものですか？

ニット製品で多く用いられるリンキング縫製を、生地×ニットとして応用した技術です。
生地の身頃に、ニットのパーツをリンキング縫製で組み合わせます。
リンキング縫製の特徴は、縫い代がないことです。生地とニットのつなぎ目に縫い代が
発生しないので、見た目が美しくなります。また、着心地もよく軽い仕上がりになります。
製品が具体化していない場合でも、お気軽にご相談ください。

他にも、カットリンキングのメリットがあれば教えてください。

編み糸は素材の種類が多く、色数も豊富です。
市販の付属テープでは、生地との色あわせに苦労することもありますが、そこにニットを
用いれば、生地とのバランスがとりやすく、レパートリーが広がり高級感も増します。
やわらかいニットは、ごわつき感がすくないので、着用時の肌ストレスも軽減されます。

編み立てから依頼できますか？

可能です。当社の協力工場との連携で、リンキング用の編地から手配できます。
※当社は加工工場ですので、編み糸の手配はご依頼主様にてお願いします。

カットリンキングに適さない生地はありますか？

裏地・布帛生地のような隙間のない、伸び縮みしない生地は、加工が難しくなります。
リンキングは沢山の針がついた機械です。その針に生地を刺して縫製する為
針の刺激で引きつれる可能性の高い生地は、加工が難しくなります。
逆にもっとも適しているのは、カットソー生地です。

カットリンキングを見てみたいのですが、会社見学できますか？

もちろん出来ます。　ぜひご連絡ください。

生産管理システムの導入で、どんなメリットがあるのですか？

大きなメリットは、複数の生地を組み合わせたデザインにおける配色対応が容易な点です。
また、多品種小ロットの注文での進捗管理がスムーズであることも強みです。

システムを使った配色対応とは、具体的にどのようにするのですか？

裁断した束ごとに、品番・色・サイズ等の情報が入ったバーコード付きの本体カードを発行します。
同じ情報が入ったパーツ用の付属カードもつくることができます。
同じカード番号の本体カードと付属カードを組み合わせる事で、ロット違いや、配色生地パーツの組み合わせミスを防ぎ、複雑な配色管理がよりスムーズになります。
デザインが多様化する昨今、システムでの配色管理は、人的ミスを予防する有効な方法です。

バーコードでの進捗管理とはどういうものですか？

各工程の作業が終了した時、本体カードのバーコードを読み取る事で、進捗状況を管理できます。
これにより生産モレを予防できます。束ごとに読み取った日時も入力される為、より正確な情報をご依頼主様へ提供できます。
このシステムを導入した事で、当社は煩雑な情報管理が可能となり、ファーストサンプル作成から本生産まで、一貫した生産が可能となりました。

生産システムを導入した事で、大ロット短サイクルにも対応できるということでしょうか？

システム導入の目的は、メードインジャパンのイメージを損なわない、良い製品をつくることです。
残念ながら当社は、沢山の数を、早く、低コストで作らなければならない方のお役には立てません。
丁寧なものづくりをして、ご購入いただいた方に満足してほしいという願いをもっているからです。
良い物をつくり、お約束した納期を守れるようにと、オリジナルの生産管理システムを導入しました。

どんな製品が得意ですか？

主に婦人の上物を生産しています。セーター・カーデ・プルオーバー等
ニット素材・カットソー素材を得意としています。　
布帛生地は勉強中です。
時代が求める製品をつくれる企業になれるよう、日々努力しております。

スーツをつくっていないのに、なぜ社名が「本吉スーツ」なのですか？

創業時、ニット素材の上下セット(ニットスーツ)が流行していました。
素材がニットでも、洋服と同じ丁寧な物づくりができる会社になろうという
目標を掲げて、本吉スーツという社名にしました。
スーツがつくれない本吉スーツ。違和感を感じると思いますが、創業当時は
レナウンの１００%指定工場として、数多くのニットスーツを生産していました。

検針機は、どのようなタイプを使っていますか？

検針レベルが高い、ローラータイプの検針機を主として使用しています。
また、卓上タイプとハンディタイプの検針機も常備しております。
当社では、製品検査時と、納品出荷時の２回針検査をおこなっております。

原材料の手配や、パターンの作成から依頼できますか？

当社は、加工のみを行う加工工場の為、原材料やパターンはご依頼主様のほうでご準備をお願いしなければなりません。
加工につきましては、裁断・縫製・最終プレスと一貫しておこなう事ができます。

パターンをデータで送っても大丈夫でしょうか？

パターンは、紙に出力・カットしてお送りください。
反物の不具合を確認改善しながら裁断するため、あえて自動機を導入しておりません。
正確な柄あわせ対応をするために、当社では作業員の目と手を重用しております。